契機
「君たちには無限の可能性がある」
「やりたいことをやろう」
「夢はきっと叶う」
先進国に住む人間はこういったフレーズを思春期に至ってから何万回も聞かされただろう。
そして引き合いにだされるのは、過去の成功者や偉人の軌跡。
このフレーズに踊らされる人々とそうでない人々。
それはおおよそ現実という反映してない風に思える。
「こういうフレーズの裏に何人の犠牲者がいるんだ。信じたら誰もが成功者になれるか?トライするのが大事?そういう考えもあるだろうね。この人生所詮は暇つぶし」
とか考えてた。
「結局はレールの上に乗って上手くやり過ごすしか方法ないでしょ?」
という意見には概ね同調する。
中学から平々凡々に生きて特に脚光を浴びるわけでもなく、無難にそこそこの大学を卒業して、それなりの企業に入って三十路前に近くのそれなりの人を好きになって結婚して定年までやり過ごすために生きてると本気で信じてた。
そうあの日がくるまでは。